3:Accomplice

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黙って深く頷けば、新倉さんの腕に力が込められた。 「このまま、あなたを胸の奥にしまって、閉じ込めてしまいたい」 「ふふ」 「……なんで、笑ったんですか?」 「だって、そんなこと言うなんて」 ぐいと顎を持ち上げられた。 「素直じゃないですよね?いつも古瀬さんは。それに頑固なところ」 「そう……かな」 新倉さんの目が厳しく光る。 そしてきっぱりと言い切る。 「そうです」 その言葉の後、じっと見据えられた。 なんとなく視線をどこに向けていいかわからずに、私の目はうろうろしている。 「さっきも言いましたよね?しっかりし過ぎるのも考えものだって」 視界いっぱいに新倉さんの顔。 「でも、こうすればわかります」 深いキスの後の余裕の笑み。 「その目で、私を見てくださいね」
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