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二日間ほど、母は冷凍庫のようなところで保管されたることになったが、きっと文句は言わないだろう。
ハワイからは夫と息子だけが帰って来た。
夫は、両親と弟夫婦からの香典だと言って十万円を差し出した。
どことなく誇らしそうな表情だった。
私はあえてありがたそうに恭しく受け取った。
予測通りだったし、悲しまない人が増える葬儀はごめんだったから、物分かりの良い妻、嫁の仮面をかぶることに決めた。
「ごめんね。忙しい思いさせて」とも言ってみた。
「いいよ。仕方ないから」
彼は言葉を素直に受け取り、その瞬間から本物の部外者になった。
夫は、母の顔を形式的に必要最小限に、見ただけだった。
幼い息子は、冷たいおばあちゃんのおでこを何度も何度も撫でていた。
「つめたいからしんだの?あっためたらいきかえる?」
「生き返らないよ」
「おばあちゃんもハワイにつれてってあげようっておもったのに。おとなになったら、かねもちになって」
「おばあちゃん喜んでるよ」
「ぎゅってするんだ。ハグって」
「ハグ?」
「ちゅーもするんだ。ママもつれてってあげるからね」
「……うん。ありがとう」
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