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一葉「双葉っ双葉ってば」
双葉「んーっ………」
もうっ…起こしてって言ったくせに…
双葉はいっつもそう。寝起き悪いったらない。
学校が始まるまで後30分。ここから10分もあれば着く距離だけど、絶対に朝ご飯を食べないと、その日一日機嫌が悪い。
一葉「双葉っ起きようよ…」
双葉「後5分…」
一葉「もうっ双葉ってば!!」
そう、実はタヌキ寝入りだったりして…
俺の双子の兄、一葉が必死に俺を起こす姿が楽しくて、ついつい寝たふりをしてしまう。
でもこのくらいで起きないとそろそろ一葉が怒りだす頃。
大人しいのが怒ると怖いって言うけどまさにその通り。仏が般若に神が魔に早変わりの瞬間を垣間見ることになる。
そうなると俺の立場が悪くなるわけで。
双葉「起きた…うん…起きたから。」
今にも怒鳴りそうな一葉を制し手を併せて許しを請う。
一葉「もうっ…着替えて早くご飯食べちゃいなよ。先に行っちゃうよ…?」
わざとそんな気もないくせに言葉を紡げば、寝ぼけ眼の双葉の顔色が変わる。
双葉「すぐ用意するっ!!食べるからっ先に行くなよっ!?」
うん、思った通りの反応。
慌てて用意してる姿が見てて楽しい。
あ、転んだ。
慌てるから…
ふふっそんなに急がなくても待ってるのにね。
一葉「後5分っ」
一葉のカウントダウンが聞こえる。
急がないとと思うほど空回りして服が絡まる。
トーストを口に頬張りキッチンを出ると余裕の顔をした一葉が目に入る。
畜生。
きっと依存しているのは俺の方…
双葉「おまたせっ」
息を切らして駆けて来る双葉
うん、やっぱり離れられない。
依存しているのは僕の方
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