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双葉「一葉…遅いし」
振り返ると隣に居たはずの同じ顔が、後ろからゆっくりと歩いて来るのが見える。
仕方なく待っていると一葉が口を開く。
一葉「遅くない。普通に歩いても間に合う距離を双葉が走ってるだけでしょう?」
う゛っ…
確かにそうなんだけどさ…?
学校までは一本道を役10分(寮は敷地内だからね)
あと30分近くあるわけだけど、何となく早足になるのは、隣に並ぶ同じ顔のせい。
多分俺は一葉が好き。
同じ顔で同じに育ったのに、俺と違ってなんか大人で…
柔らかで優しい気分になる。
そんな一葉に惹かれてる…
でも一緒に歩くと恥ずかしいから何となく足がはやまる
一葉「双葉っ」
一瞬待っていてくれていた双葉の足が再びはやくなる。
だからはやいって。
もう少しゆっくりと歩いて間に合うのに、双葉はどうも落ち着きがない。
まぁそんなところがいいのかもしれない。
自分にはないものばかり…
双葉といると明るくなれる、ポカポカ幸せになれるんだ…
そんな双葉だからきっとこんなに惹かれてる…
だからもう少しだけ、近くをゆっくり歩いてくれればいいのに…
何気ないこの道も、君と一緒なら楽しめる…
双葉「一葉‼早く来いよ」
一葉「はいはい」
双葉「走れよ」
一葉「嫌だよ」
ゆっくり歩く一葉を待つのも悪くない。
俺を追いかけてきてくれるから
双葉「遅いって」
一葉「双葉がはやいんだよ」
ゆっくり双葉を追いかけるのもいいかもね…
きっと待っていてくれるから…
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