第一章

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巨大な屋敷の大ホール。 シャンデリアがキラキラと輝き、まるで社交会でも開いているかのような贅沢なそのホールで、2人はお互いをにらみ合っていた。 シーンと静まり返り、緊張感だけが漂っていく。 そんな2人の間に、1人の老人が割って入った。 「デュラン様。皆が怖がっておりますぞ」 デュランと呼ばれたその男は「この伯爵に刃向かう者は、誰であろうと容赦する事は出来ん」と言った。 「それがデュラン伯爵様の本音でない事は、この爺は良く分かっていますぞ」 老人の男は、そう言ってデュランの手を握った。 「爺、あまりでしゃばると、その命を落とす事になるぞ」 そう吐き捨てたデュランは、その場から立ち去って行く。 「スフィア様もあの男には気をつけて下さい」 「私は何もしていない。あの男が勝手に吠えているだけだ」 スフィアもデュランと同じように部屋から出て行った。 「皆の者。おしまいじゃ。間も無く夜も明ける」 その言葉を合図に、屋敷中のカーテンが閉められた。
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