第一章

10/24
前へ
/40ページ
次へ
部屋の中は薄暗く、甘い香りが漂っていた。 ヴァンパイアは夜目が効く。 部屋の中が薄暗くても、鏡台の前で座るスフィアの姿をハッキリと見る事が出来た。 「随分と誘う格好だな」 デュランは舌なめずりしながら、スフィアに近付いた。 そして、スフィアの体に巻き付かれているタオルを強く握る。 「何をするつもりだ?」 スフィアはデュランを睨んだ。 「知れた事だ。お前は俺の女になる。今からお前に何をしようと、誰も何も言うまい」 デュランはそう言うと、強く握ったタオルを引っ張った。 その勢いでガタッと椅子が倒れる音がする。 スフィアもバランスを崩し、デュランにもたれかけるように立ち上がった。 「貴様っ!?」 スフィアは殺気を放ち始める。 そんなスフィアを気にする事なく、タオルを引き剥がした。 「やはり、いい女じゃないか」 形の良い胸が露わになり、ピンク色の乳首がツンっと立っている。 「貴様は死にたいらしいな」 スフィアはデュランの手首を掴み、そのまま上に持ち上げた。 「その程度の力では、伯爵である俺に何も出来んぞ」 張りのあるスフィアの胸に視線を移し、デュランは怪しい笑みをこぼした。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加