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お互いが牙を出して睨み合う。
スフィアはデュランを威嚇しながら、ゆっくりとタオルを手に取ると胸を隠した。
「同族の命を奪う事は禁止されている……が、伯爵である俺に刃向かうならば、掟を破る事にはならんな」
デュランはスフィアとの間合いを詰めていく。
そのスフィアは両足に力を込めると、ベッドへ向かって飛んだ。
「何が掟だ?掟を破っているのはお前の方だ!」
スフィアはベッドにあるホルスターを掴むと、ベッドの影に身を隠した。
そして、ホルスターから銃を抜き取ると、デュランに銃口を向ける。
トリガーに指をあてると、躊躇する事なく発砲した。
一発、また一発とデュランに撃ち込んでいく。
その全てがデュランの体に命中していた。
「この程度の攻撃が効くとは思ってないよな?」
デュランは全身に力を込めると、筋肉の弾力によって体内に撃ち込まれた銃弾を弾き飛ばした。
「今のは威嚇だ。次は容赦しない」
弾薬を素早く入れ替え、再びデュランに銃口を向ける。
「次は死ぬ事になる」
スフィアはそう言って一発を撃った。
その弾丸はデュランの頬をかすめ、部屋の壁に当たる。
「なる程……」
デュランの頬は、銃弾によって溶けていた。
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