13人が本棚に入れています
本棚に追加
「スフィアから離れろ」
デュランの言葉を無視し、女は銃を抜いた。
「それで俺を撃つと?」
デュランに慌てる様子は無い。
「もはや、スフィアに動く力は無い。ならば、貴様から先に相手をしてやろうか」
「つくづく最低な男だな。スフィアの上で死ねるなら本望だろう」
デュランの頭に銃口を押し当てると、女は引き金に力を込めた。
「ロジェ……やめ……ろ……」
デュランが体に触れてから、力が入らないスフィア。
そんなスフィアは、何とかそれだけを口にする。
「スフィアは黙って。あたしは、この男のやり方が気に入らないのよ」
「俺のやり方に文句があるなら、歴代の年寄り共に言え」
デュランはロジェの銃を振りほどきながら、スフィアから離れた。
お互いが睨み合い、殺気が満ち溢れていく。
「あたしの武器が銃だけでは無い事は知ってるわよね?」
ロジェは短剣を取り出すと、デュランに刃先を向けた。
「そんな物で俺を倒せると思っているとはな」
デュランは牙をむき出しにし、ロジェに向かって飛び込んでいった。
「ロジェ……」
スフィアは何とか体制を整えようと、体を動かそうとした。
最初のコメントを投稿しよう!