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2人はもつれ合いながら、ベッドルームから出て行く。
「ロジェ……」
このままではデュランに殺されるだろう。
最低な男といっても、ヴァンパイアを統べる伯爵なのだ。
一介の戦士が勝てる相手ではない。
「早く逃げろ……」
スフィアは牙を剥き出しにし、腕を固定しているタオルを引きちぎろうとした。
「私は……」
全ての力を使い切るような勢いで、スフィアはタオルを引きちぎった。
自由になった両手。
シーツに身をくるむと、床に落ちている銃を手にする。
そして、ふらつきながらもデュランに銃を構えた。
「ロジェ!」
スフィアは叫ぶと、デュランに全弾を撃ち込んだ。
部屋の中に轟音が響く。
ロジェは、その音と同時に部屋から飛び出していた。
「スフィア急いで!」
もたつくスフィアに叫びながら、ロジェはカーテンのスイッチを押した。
ゆっくりとカーテンが開きだし、太陽の光が部屋を満たして行く。
スフィアは太陽光に当たらないよう部屋の出入り口に向かって跳躍した。
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