プロローグ

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シトシトと降り続く真夜中の街並み。 人通りも目に付かない雨の中で、年端もいかぬ1人の少女が佇んでいた。 何処を見ているのか、定まらない視線。 寒さの為か、恐怖の為か……。 少女の体は、ガクガクと震えていた。 「こんな時間に傘も差さず、何をしているのかな?」 少女に見知らぬ老人が優しい笑みをこぼしながら話し掛けて来る。 「お嬢さんが1人でうろつくには遅い時間だ。お家まで送ろう」 そう言いながら少女に手を差し伸べた。 だが、老人の事など目に入っていないらしく、フラフラと歩き出す。 「何処へ行くんだい?」 老人は、この不思議な少女の肩に手をかけ、引き留めようと力を込めた。 「なっ!!?」 その時、老人は思わず驚きの声を上げる。 少女が進むその先に、誰かが倒れていたのだ。 「だ、大丈夫かね?」 倒れている人影に声を掛ける老人。 だが、既に死んでいるらしく、返事は返って来ない。 「こ、これは大変だ。早く保安官に知らせなければ」 老人はそう言って立ち去ろうとした。
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