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ゆっくりとカーテンが開き、太陽の光りが部屋の中に差し込んで来る。
その光りに当たらないように、スフィアは扉に向かって跳躍した。
左足が一瞬かすめる。
ジューっと焦げた臭いと共に、煙りが上がる。
「くっ……」
押し殺した声を出しながら、スフィアは廊下へ転がり込んだ。
「ロジェ、スイッチを破壊して!」
デュランが立ち上がろうとしている所を見たスフィアは、ロジェにそう叫んだ。
「任せて!」
短剣を腰から取り出すと、迷う事なくスイッチ目掛けて投げつけた。
バリバリっと、電気がほとばしる音と共に、スイッチは破壊される。
「貴様らよくも!」
光りの差し込む部屋で叫ぶデュラン。
そのデュランの最後を見届ける前に、ロジェは扉を閉じた。
「最後を見届けたかったけど……あたし達まで溶けてしまうわ」
悔しそうな表情を見せながら、ロジェはそう言った。
「とにかく助かった……」
スフィアは痛めた足をさすりながら言う。
「ロジェが来てくれなかったら、私はアイツの餌食になっていたわ」
「デュランは最低な男だからね。死んで当然よ」
スフィアに手を差し伸べるロジェは、ホッとしたような表情をしていた。
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