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「伯爵を手に掛けたからには、掟に従って仲間から始末されるわね」
「デュランの事を良く思ってない輩は多いわ。命を狙われるような事は無いと思いたいけど……」
スフィアの言葉にそう応えたロジェは、それでも表情は暗い。
「とにかく、マーカスの所へ行きましょう」
「マーカス?」
ロジェはマーカスが呼んでいる事をスフィアに伝えに来たのだ。
マーカスとは、ヴァンパイアの戦士に武器を提供する科学者である。
設計から開発までを手掛け、個人にマッチした武器を作ってくれる。
戦士の間では、このマーカスは居なくてはならない存在なのだ。
「スフィアの新しい武器が出来たそうよ」
「私はマーカスに武器を頼んでないが……」
スフィアはヴァンパイアの使う武器を嫌う傾向にある。
武器が馴染まないのが原因らしいが、ヴァンピールとの戦いを続ける為には、専用の武器は必要だった。
「いつもスフィアの事を心配してるのよ」
ロジェはスフィアを立ち上がらせると「行きましょう」と言って歩き出した。
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