第一章

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マーカスは屋敷の地下にある開発ルームに居た。 明るく片付けられているその部屋は、精密機械を扱うだけあり埃1つ無い。 「遅かったな」 自分専用の机に腰を下ろしていたマーカスは、スフィアとロジェの姿を見て立ち上がった。 「その何て言うか……スフィアのその格好は……」 マーカスは視線を泳がせながら頬を赤く染めた。 スフィア程の美女が、シーツ一枚の姿でいるのだ。 同じ女性から見ても見入ってしまう。 そんなスフィアがシーツ一枚の姿で立っていれば、普通の男ならばマーカスと同じ態度になるだろう。 「マーカスには関係ない事だ」 スフィアは開発ルームの奥にある一室を借りると、ロジェが持って来てくれた服に着替えた。 「時間を取らせたな」 「いや、待たされる事には慣れている」 マーカスはそう言いながら引き出しから一丁の銃を取り出した。 「スフィア用に調整してある」 ゴトッと重たい音をさせながらテーブルの上に置いたその銃には重圧感があり、とても女が使えそうには見えない。 だがスフィアは、その銃を軽々と持ち上げた。
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