第一章

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「いい銃だ」 手に馴染む銃に、スフィアは素直な気持ちを口にした。 「これが仕事だからね。誰の武器であっても手抜きはしない」 マーカスのその言葉は、デュランの武器も手抜きはしていない事を意味している。 「つまり、武器の弱点も知っていると?」 「武器の弱点か……。正直、見当たらないと信じたいね」 マーカスは得意気な表情を見せた。 つまり、マーカスの作る武器に弱点は無い。 「そうか。そうでなくては困る……が……私には不要だ」 スフィアは銃を机に奥と「私は行くぞ」と言って開発ルームから出ようとした。 そのスフィアに「デュランと揉めたんだろう」とマーカス。 「確かに揉めた。そして、奴は私の部屋で死んだ」 「死んだ?」 「奴に生きる資格は無い。それは、ヴァンパイアなら誰もが思っている事だ」 淡々としているスフィアに、マーカスは驚きを隠せない。 どれだけ非道な男だとしても、ヴァンパイアをまとめる伯爵なのだ。 それが何を意味しているのか……。 「本当に死んだのか?」 マーカスは信じられないと言った表情をしながら、スフィアを見ていた。
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