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「あたしがスフィアの部屋に行った時、2人は既に争っていたわ」
ロジェが間に入り、スフィアの部屋で起きた事を話していく。
「そうか……」
話しを聞き終えたマーカスの表情は暗い。
「スフィアを自分に振り向かせようとしていた事は感じていたが……」
「私には関係ない事だ。あいつは伯爵の地位を利用し、仲間を苦しめて来た。死んで当然だ」
そう言ったスフィアの瞳は、怒りに満ちている。
「ならば、余計にこの銃は持っているべきだ。デュランを憎む者は多いが、慕う者も多い」
「つまり、仲間に追われると?」
「この先の事は分からん。だが、スフィアにも信用出来る仲間は必要だな」
マーカスは腕を組ながら、真剣な表情をしていた。
「大丈夫よ。スフィアに罪があるなら、あたしも同罪よ」
ロジェはスフィアを見て微笑む。
そのスフィアは「私は同族と争うつもりはない」と言った。
「スフィアに戦う意思が無くても、仲間達がそう思ってくれるとは限らないじゃない。特にデュランの側近達は、手加減なんてしないでしょうね」
ロジェはそう言いながら机に置かれた銃を手にした。
そして、その銃をスフィアに渡すと「今後の事を話しましょう」と、言った。
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