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ギラギラと照りつける太陽。
気温が上がり、今が夏なのだと知らしめられる。
ヴァンパイアに太陽光は関係ない。
いや、正確には太陽の下に出る事が出来ないのだ。
太陽光に当たると、ヴァンパイアの肌は灼けただれ、すぐに灰になってしまう。
「そろそろ巡回の時間になるな」
カーテンを閉め切った部屋の中で、スフィアとロジェは向き合っていた。
「私の部屋の扉を開ければ、たちまち灰になるな」
可哀相にと付け加えたスフィアは、特に表情を変える事はない。
ただ、壁に掛けられている時計だけを見つめていた。
巡回とは、伯爵配下のヴァンパイアが、以上が無いかと各部屋を見て回る事だ。
何かの間違いでカーテンが開いてしまう事もあるかもしれない。
そんな時、廊下側からカーテンのスイッチを押して太陽光を遮断するのだ。
「あの部屋はスイッチが破壊されている。間違い無く即死するでしょうね」
ロジェの言葉に頷くスフィアは「時間だ」と告げた。
巡回が始まれば、嫌でも仲間に見つかってしまう。
そうなれば夜まで隠れ、屋敷から脱出しなければならない。
「覚悟は出来てるわね?」
ロジェの言葉にスフィアはコクリと頷いた。
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