13人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「ママ……」
少女は小さな声でそう言った。
「ママ?キミのお母さん?」
立ち去ろうとしていた老人は、倒れている者が、この少女の母親なのだと知った。
「そうか……目の前で何者かに襲われたんだね……」
可哀想にと呟きを残すと、老人は保安官を呼ぶ為に、今度こそ立ち去って行った。
「ママ……」
少女の瞳からは、ポロポロと涙が流れて来る。
だが、倒れている人影から返事は無い。
少女は何が起きたのかを理解して居なかった。
ただ、母親と楽しく過ごしていただけなのだ。
それが突然苦しみだし、母親は簡単に息耐えた。
この時、少女は何かを見たような気がした。
あまりにも突然の事で気のせいなのかもしれない。
それとも、何者かに襲われた事にしたかったのか。
ただ言える事は、少女の記憶が綺麗に失われていた。
最初のコメントを投稿しよう!