第二章

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ズガァーンっと、重たい音が響く。 銃口から煙りが上がり、間違いなく弾丸が発射された。 「スフィア?」 端末からロジェの声。 だが、スフィアはその声に応えない。 変わりに銃をホルダーに戻し、ゆっくりと剣を抜いた。 「外れたわ」 スフィアは落ち着いた声で言う。 「こっちの場所がバレた。今から交戦に入る」 「待って!あたしも今行く!」 「ロジェは場所を移動して援護をお願い」 それだけを言うと、建物の影を利用してヴァンピールの近くへ移動して行く。 「私達を狙った事を悔やみなさい」 スフィアの口から牙が光った。 姿勢を低くし息を潜めると、ヴァンピールの背後から突っ込んでいった。 音も無く近付くスフィア。 だが、そのヴァンピールはスフィアに気付く。 「何!?」 気付かれる筈が無い。 ヴァンパイアが完全に気配を消しているのだ。 それが何故……。 ヴァンピールはスフィアに振り向きながら銃口を向けた。 そして、迷いを見せる事なくトリガーを引く。 一発、また一発と弾丸を撃っていく。 その内の一発をスフィアは受けてしまった。
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