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「……っ!?」
声にならない叫び声を上げる。
銃弾の当たった箇所からは、焦げ臭い匂いと一緒に煙りが出ていた。
「スフィア!?」
イヤホン越しに聞こえるロジェの声が遠く感じる。
腰が落ち、ついに膝を着いた。
「銀弾か……」
「スフィア大丈夫なの?」
「すまない……銀弾を……」
スフィアの声に力が入らなくなっていく。
近くに居たヴァンピールも、スフィアの姿を見て雄叫びを上げていた。
「……くっ!」
ヴァンピールの銃口がスフィアに向けられている。
今、銃を撃たれれば、間違い無く致命傷になるだろう。
スフィアは体の痛みに耐えながらも立ち上がろうとした。
だが、銀弾を受けた体は思うように動かない。
そこへ、不適な笑みを浮かべたヴァンピールが迫って来た。
「ヴァンパイアも長い時間の中で力が弱くなっているか」
そう言いながら銃口をスフィアに向けると、間髪入れずに引き金を引いた。
一発、また一発とスフィアに打ち続けていく。
ヴァンピールが放った銀弾を、スフィアは全て受けていた。
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