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ヴァンパイアとヴァンピールの戦いは、数千年以上も続いている。
突然現れたヴァンパイア。
その生い立ちは不明で、ヴァンピールである人間の血を吸う事で生き長らえている。
本来ヴァンピールとは、人とヴァンパイアの混血を指していた。
だが、長い歴史の中で、いつしか人間をヴァンピールと呼ぶようになったのだ。
「スフィア様」
路地から表通りに出ようとした所で、女はそう呼び止められた。
「どうした?」
甘い声で、呼び止めた男に返事をする。
「伯爵様がお呼びです」
「伯爵が?」
スフィアは首を傾げながら歩を止めた。
薄暗い路地に街の光が差し込んで来る。
その光に反射するスフィアの髪が、銀色に輝いていた。
「如何いたしましょう。車を廻しますか?」
「いや、夜明けまでには時間がある。少し歩きたい」
スフィアは剣の位置を確かめると、その場から歩き出そうとした。
「では、これをお持ち下さい」
男は一丁の銃を取り出す。
「最近はヴァンパイアと分かれば、場所を問わず襲って来ます。お気をつけ下さい」
スフィアは銃を受け取ると「私は死なない」と、言いながら歩き出した。
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