5人が本棚に入れています
本棚に追加
「姫」と呼ぶのは一人しかいない。
彼しかいない。
どうしよう…。
顔を見ることができない…。
さっきの笑いは絶対にヨシだし…。
恥ずかしいところまで見られてしまっていて、よけいに顔が見れない。
「姫、きれいだよ」
一気に顔を見上げた。
やっぱりあたしの知っている「ヨシ」だった。
「旅行で疲れただろ。喫茶店でも入ろうか」
彼の後についていくのはいいんだけど、慣れないハイヒールのせいで、足がうまく動かない。
彼は気づいたらしく、手をさせ出してくれた。
「歩きづらそうだから。
手を貸しましょうか?」
皮肉っぽいところもそのまんま(笑)
でも、あたしは素直に彼の手を借りて、喫茶店へと向かった。
って、よく考えたら手つないじゃったよ!!!
気付いた瞬間、顔が真っ赤。
そのあたしに気付いたせいか、ヨシがまた笑いだした。
「ちょっと!
笑いすぎじゃん!」
「姫の姿を見るのが楽しいんだよ」
最初のコメントを投稿しよう!