*6*

12/30
前へ
/571ページ
次へ
「アオ様、コウ様、ようこそおいでくださいました。お出迎え出来ぬ非礼をお許しくださいまし」 部屋の奥の椅子に座って深々と頭を下げるのは、 30を少し過ぎた頃の凛とした面差しの女性だった 薄い水色の衣装をまとって 腰まで届く漆黒の髪を簪1つで器用に纏めている 「気にすんなって」 アオがふわりと笑うと 頭を上げたマダムもにっこりと微笑んだ 目尻が下がって 優しげな印象が強くなる 「そちらのお方は、はじめましてですね。わたくし、王宮占い師の沙羅と申します。少々足を病んでおりまして、歩くことができませんの。座ったままで、申し訳ございません」 ショウを見たマダムが 目元を和ませた 「あ、いえ、はじめまして」 「俺の隷獣のショウだよ」 「火の国の三神の御一人、サラマンダー様でございますね」 "三神"という言葉に ショウが目を丸くした 、
/571ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1957人が本棚に入れています
本棚に追加