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「歴史書に記されたサラマンダー様は、皆様もご存じですね?」
「火の国を支えた初代の伝説の隷獣でしょう?」
アオとコウの後ろに立ったジュンが、隣に立つショウを見て答える。
「はい、公にはそのように伝わっております」
「公にされてない史実があるんですか?でも、書庫にはそんな記録、一切なかったけど…」
「コウ様のおっしゃる通り、記録には一切残っておりません。これは我が一族に、口頭でのみ伝えられてきた裏の歴史でございます」
「裏?…そんなもの、喋っていいのか?」
アオの不安そうな声に
マダムはさらに優しげな笑みを浮かべる
「サラマンダー様…、ショウ様に主と認めていただくことができたアオ様には、知る権利がございますわ。そして、アオ様の信頼を最も得ていらっしゃるコウ様と紫毅様も、わたくしは信用しております」
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