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「ええ。それほどまでに、サラマンダー様は危険な存在とみなされておられました」 アオは“危険”という単語に 以前ショウが言っていた言葉を思い出した 「そういえば、ショウは自分のことを“厄災の獣”って言ってたよな?」 「…その通りだよ。俺は焔を司る獣だ。俺の炎はすべてを焼き尽くす地獄の業火。ソラの側にいるには、危険度が高すぎたんだ…」 「そんな、危険だって確証もないのに…」 「危険だよ。俺がソラに与えた力で、ソラは魔女を倒した。そんな強大な力を持つ俺は、いつか国に禍をもたらす、って、解りきったことだ」 自嘲気味に言うショウに マダムはふわりと笑いかけた その笑顔は どこかアオに似ていて アオが年をとれば こんな風になるのかもしれない、とコウは思った 「それでもサラマンダー様は、ソラ様のことを忘れておられません」 その言葉に ショウがはっとした 、
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