1957人が本棚に入れています
本棚に追加
「ええ。それほどまでに、サラマンダー様は危険な存在とみなされておられました」
アオは“危険”という単語に
以前ショウが言っていた言葉を思い出した
「そういえば、ショウは自分のことを“厄災の獣”って言ってたよな?」
「…その通りだよ。俺は焔を司る獣だ。俺の炎はすべてを焼き尽くす地獄の業火。ソラの側にいるには、危険度が高すぎたんだ…」
「そんな、危険だって確証もないのに…」
「危険だよ。俺がソラに与えた力で、ソラは魔女を倒した。そんな強大な力を持つ俺は、いつか国に禍をもたらす、って、解りきったことだ」
自嘲気味に言うショウに
マダムはふわりと笑いかけた
その笑顔は
どこかアオに似ていて
アオが年をとれば
こんな風になるのかもしれない、とコウは思った
「それでもサラマンダー様は、ソラ様のことを忘れておられません」
その言葉に
ショウがはっとした
、
最初のコメントを投稿しよう!