1957人が本棚に入れています
本棚に追加
「例え、ソラ様の側に居る資格がなかろうとも、そんなことは他人が決めることではありませんわ。
そして、記憶を封じられ、時の狭間に閉じ込められても、貴方様はソラ様を忘れることはなかった」
これほど忠実なお方の、どこに危険がありましょうか、と、マダムは目を閉じた
「ショウ様はまだ、ご自分を責めておられます。
もう、いいのですよ。
もう、ご自分を縛るのはおやめください」
マダムの言葉を聞きながら
アオは立ち上がってショウを抱き締めた
「ショウ、お前は危険なんかじゃねぇ。俺が保障する。だからもう、自分を厄災だなんて思うな」
「…、……うん、うん…っ、あり、がとう…!」
緋色の瞳から流れた涙を自分の衣服の袖でぬぐいながら、アオはマダムを顧みた
「話さなきゃいけない時が、マダムには解るんだな」
マダムはまた
ふわりと微笑むと
ばあやがいつの間にか用意してくれていたお茶を薦めた
「どうぞ、ハーブが入っておりますの。落ち着きますから」
「ありがと、ございます…」
まだ涙を流しながら
それでもショウは
屈託のない笑顔で笑った
、
最初のコメントを投稿しよう!