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「皆様は、王族に漢字がないことをご存知ですね?」
「…って、名前に漢字を使わないのは王族だけっていう仕来たりのことですよね?」
「はい。言い換えれば、王族以外はかな文字を使えません。前王妃の『蘭の君』…、お二人のお母様も、王家に嫁いだとは言え、そのお名前にかな文字をいただくことはできないように、それは徹底したものでございます」
「そんな決まりがあるの?」
不思議そうな顔をしたショウに
ジュンが頷いた
「ああ、だから臣である俺の名前は漢字だろ。因みに、王族は苗字もない」
「…そういえば、そうだね」
「とは言え、紫毅家は王家の次に位の高い名家です。名に色が入るのが、高貴な証です」
コウが付け足した説明に
ショウは感心したように頷いた
「そうなんだぁ」
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