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「殿下、お怪我は…!」 「大丈夫」 弾かれた手は 軽い火傷のように赤くなっている 「俺に結界魔法で挑むなんて、上等じゃないですか」 そう言うコウは笑ってはいるが 明らかに怒りを募らせている 「ジュンくん、ショウさん、どいて下さい」 「ダメだ、何があるか解らない」 「…どいてって、聞こえない?」 「…っ!」 普段からは想像できない低い声に ジュンとショウは本能的に体を引いていた 退かなければ自分たちが殺られる 「どこの誰だか知らないけど、勝手に人の部屋入ってんじゃねぇよ」 今度は両手を目の前にかざして 長い呪を詠唱し始めた 部屋から溢れる歪んだオーラが コウの金色のオーラに飲み込まれていく コウが最後の一言をいい終えると同時に、扉が部屋内へ勢いよく吹っ飛んだ 「えぇー…」 予想していなかった力業に その場の全員が思わず呆けた声を上げた 、
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