1957人が本棚に入れています
本棚に追加
「殿下、お怪我は…!」
「大丈夫」
弾かれた手は
軽い火傷のように赤くなっている
「俺に結界魔法で挑むなんて、上等じゃないですか」
そう言うコウは笑ってはいるが
明らかに怒りを募らせている
「ジュンくん、ショウさん、どいて下さい」
「ダメだ、何があるか解らない」
「…どいてって、聞こえない?」
「…っ!」
普段からは想像できない低い声に
ジュンとショウは本能的に体を引いていた
退かなければ自分たちが殺られる
「どこの誰だか知らないけど、勝手に人の部屋入ってんじゃねぇよ」
今度は両手を目の前にかざして
長い呪を詠唱し始めた
部屋から溢れる歪んだオーラが
コウの金色のオーラに飲み込まれていく
コウが最後の一言をいい終えると同時に、扉が部屋内へ勢いよく吹っ飛んだ
「えぇー…」
予想していなかった力業に
その場の全員が思わず呆けた声を上げた
、
最初のコメントを投稿しよう!