499人が本棚に入れています
本棚に追加
言葉や口調からは、丁寧な謝罪であることが感じられる…
だけど、片方の口端を少し上げて意地悪く笑んでいる様子からは謝罪の“しゃ”の字も感じられなかった。
「別に構わないわ。それより、車を出してちょうだい。」
「どちらへ?」
「クラスメイトの花坂さんの家よ。誘われたの。」
「お嬢様、申し訳ありませんが、その約束お断りください。」
後部座席のドアを開きながら、城崎はそう言った。
「どうして?」
私が座席に座ると、城崎はドアを閉め、運転席へと乗った。
「今日は、学校が終わり次第帰るよう、旦那様に仰せつかったものですから。」
最初のコメントを投稿しよう!