猫・上

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ここは焦らず大人な対応だ…冷静に冷静に… 「はーい、もうちょっと待っててくださーい…」 ――ピンポンピンポンピンポンピンポーン―― …落ち着くんだ俺、大人な対o――ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ…―― 「うるせぇーッ!!朝からなに連打して…ん……だ………?」 俺は思わず大人の対応を忘れ、ドアを勢いよく開け放つ。 すると目に飛び込んで来たのは淡い藍色のツインテール。 次に同じ色のワンピースにキュッと持ち上がったツリ目、最後に少し長めの犬歯。 「遅いじゃない裕太ッ!私が来たらすぐに開けなさいよッ!!」 そこには、猫を思わせるような風貌を持った小さな幼女…じゃなくて少女が立っていた。 「…で?どちらさま?」 少女がコケた。 「~っ!!あんたね!毎日顔合わせてんのにわからないの!?」 おや?どうやら顔なじみらしい………誰だっけ? 自慢じゃないが一度会ったことのある人の顔は忘れない自信があるんだが…
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