猫・上

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「…で?なにやってたんだ?」 そう、俺が部屋に入って来たとき彼女は何故かベッドの下を覗いていた。 「いや…べ、別に何にもないわよ?」 じゃあなんで視線を反らすんだよ… 「そ、それより紅茶に御饅頭ってどういうことよ!」 あ、話しを反らしやがった。 「しかたねぇだろ?それしかなかったんだから…」 「じゃあケーキ買ってきなさいよ」 「嫌だよめんどくさい」 「む~…」 少し頬を膨らませながらこっちを見るなよ。 しかもしっかりと饅頭を食べてるし… 「…そういやおまえ、名前なんて言うんだ?」 「えっ!?」 俺の問いに肩を震わせてこちらを見てくる。 「名前だよ、名前」 いつまでも少女って呼び方は可哀相だしな。 それに名前を言われたら誰か思い出すかも知れない。
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