四の刻、黒髪の少女

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少女は暖炉に手を翳しながら、部屋を見渡す。 その顔は不安そうだ。 物思いに耽っていると、ジェラードが戻って来た。その手にはティーカップを持ち、タオルとパジャマを抱えて居る。 「サイズは分からないけど、着替えを持って来たわ。それとハーブティー…これなら人でも飲めるでしょ?」 「あ…!ありがとうございます!申し訳無いです…」 「遠慮しなくて良いわよ。客人にはこうしなさいって言われてるから」 「でも…ありがとうございます。助かります!」 「お礼は良いから…着替えたら?ハーブティーが冷まってしまうわ」 「あ、はい…では…失礼します」 少女はジェラードに何か違和感を覚えていた。 少女は言葉を整理し、話し掛ける。 「あ、あの…」 「どうかしたの?」 「ジェラードさんは優しいんですね」 「そうなの?」 「はい…」
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