二の刻、歯車達

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カチ、カチ、カチ… 秒針の音が響いている。 ジェラードは光りの射す部屋の中の、瓦礫の前で立ち尽くしていた。 そして、漸く口から出た言葉を濁す。 「本当に、挟まってるわね…驚いたわ」 ギザちゃんが床で跳ねる。 「驚いてる場合じゃないよ!早く助けて!」 ジェラードはハッとした様に体を強張らせ、瓦礫の傍にしゃがんだ。 「わ、分かってるわ。ちょっと待って…ね」 ジェラードが瓦礫の山に手を伸ばし、片っ端から漁る。 大きな物置に挟まっている瓦礫を全て取り除くと尻餅をついた。 途端に瓦礫が騒ぎ始める。 「――ギザギザ!遅ぇんだよ!」 「そうだぞ!ギザギザ!」 「え、ええー…」 仲間の心ない発言に、ギザちゃんは落胆している様だ。 「まぁ、皆…ギザちゃんは皆を助ける為に一緒懸命だったよ?怒らないであげて」 歯車達はピタッと静かになり「ジェラードがそう言うなら」と囁いた。 「ジェラードを味方につけるなんて卑怯だぞ!ギザギザ!」 「そうだそうだ!」 またしてもギザちゃんはショックを受けていた。 「味方とかそういうんじゃなくてね…皆お友達でしょ?」 歯車達はまた動きを止める。 そして一斉に跳ね出した。 「うん!そう!友達!ジェラードも友達!ギザギザも…友達!」 ギザちゃんも喜んで跳ねていた。
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