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「はあっはあっ、あ…」
螺旋階段を駆け降りていたジェラードは、その足を止めた。
「いけない。関節が傷んじゃうわ」
そう呟いて、トボトボと階段を降りる。
「つい飛び出して来ちゃったけど…心配してないかな?あの子達…また挟まってるんじゃないかしら…」
そう言いながら歯車達が言っていた名前を思い出して、口をへの字にした。
「もぅ…私が…」
足を止めて、泣きそうな顔をする。
その言葉の先は、興味が別の方に向いた事によって途切れた。
「あ…珍しい。人が居るわ!」
ジェラードが物見の為に壁に取り付けられた、大きな窓から外を覗く。
外は雄大に広がる森と、遠くには街が見える。
人里放れた時計塔に訪問する客人は、そうは居なかった。
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