78人が本棚に入れています
本棚に追加
下校途中。
オレ、白羽京介(シラハキョウスケ)は呆れ返っていた。
理由はこれ。
「おい。白羽!
今日こそ、吠え面かかしてやるぜ」
………………。
吠え面ってどんな面だ?
って言うか毎度毎度本当に飽きないな。
と不良一の言葉に一人心の中でツッコミを入れながら周りを見渡してみる。
十、二十、三十。ざっと三十人か。
やろうと思えば勝てない人数じゃないが……。
「牛尾さん。あんたもしかして人数集めればオレに勝てると思ってんの?」
不良一とは仮の名。
本名は牛尾と言う。
まぁ、どうでもいいが………。
「うるせぇ。俺たちはお前の上から目線が気に喰わねぇんだ。観念して俺たちにギタギタにされろ!」
牛尾は眉間にシワを寄せながら怒鳴る。
「…………」
別にオレは上から言ってるつもりは無いが、言っても無駄か。
なんか興奮してるし。
やるしかないか~。
はぁ~。
「仕方無いなぁ~」
オレは諦めて身構える。
「やっとやる気になったか」
牛尾グループ(仮)はオレが構えたのを見てニヤけながら構えた。
オレは牛尾グループが皆、構えたのを確認すると短く息を吐き、
「行くぞ」
と言う掛け声と共に集団のど真ん中に突っ込んだ。
「うぉっ!?」
オレから突っ込むとは思っていなかったのか、牛尾は短く驚きの声を上げた。
最初のコメントを投稿しよう!