第一章 目覚め、始まり

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目覚めてから1ヶ月…。 病室には僕一人、話し相手もいないので大抵はベットに寝ていた。 正直言って退屈な日々。 いい加減、代わり映えしない生活に飽き飽きとしてきたそのある日、僕の病室にノック音が響く。 看護士が検査にでも来たのかと身体を上げると、 「やあ、だいぶ待たせてしまったようだね」 そこには祖父の姿があった。 そしてもう一人、 「………。」 僕がここで最初に目にした顔、眼鏡越しから冷たく見据える眼光。 両親が死んだと告げた先生と呼ばれていた男が、祖父の後から部屋に入ってきた。 直感的に目をそらす。 僕はこの人の事多分好きにはなれない。 頭の中でそう、どこからか声がした。
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