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「変化は無し…か」
病室に突如静かな言葉が洩れる。
それを機に下げていた視線を上げ、先生に面を向けた。
「検査の結果、問題点は無かった。よって今から君に退院の許可を出す」
どうやら何事もなく終了したようだ。
ならもうここにいる意味はない。
上着を来てさっさと外にいる祖父の元へ向かおう。
「今までお世話になりました」
最後に軽くお辞儀を先生にする。
「………」
だが返答は無い。
あるのは相変わらず冷たい視線だけだ。
このまま、ずっとにらめっこのようにしていても仕方ない。
後ろを向き、扉に向かう途中も背中に感じたが、無視して出ていこうとした。
だが、
「これから向かう先は何も無い。未来も希望も。それでも…君は進むのか?」
扉に手をかけた時、冷たい感じはそのまま僕は言葉を投げかけられた。
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