第一章 目覚め、始まり

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「交通…事故?」 驚きからか思わず告げられた事実をそのまま復唱してしまう。 先生は未だ状況の整理がつかない僕のことなどお構いなしに言葉を告げる。 「そう、君は交通事故にあった。端的に事を述べよう。この事故で君の両親は亡くなった」 「なっ!」 両親?父さん…母さん…! 「…っ!」 ぐっ、痛い。 思い出そうとすると頭に激痛が走る。 「今はまだ思いだそうとしなくていい。恐らく事故のショックから脳が拒否反応を起こしているのだろう」 「っ…うあぁっ!」 意識がドロリと落ちていく。 徐々に真っ暗になる世界。 それでもーーー 僕を食い入るように見ていた視線を意識が消えるまで感じていたーーー。
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