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無意味な行動とは分かっていながらも、俺は細雪の震える背中をさすってやった。 細雪は辛いからなのか、俺に怯える事はなく、そのまま俺に体を預けるように寄り掛かった。 細い体。 今、少しでも力を入れたら折れてしまいそうな華奢で繊細な細い体。 両親からは、ロクに食事も貰えなかったんだろう。 身長だって大分低い。 看護師曰く、細雪は俺と同じ年齢、14歳で、中学2年らしいが、身長は140に達しているかどうかも怪しい。 「ごめん……なさい………ちょっと、苦しくて……」 「……いいよ。楽になるまで……いいよ。」 今日の俺は、おかしい。 こんな少女に助けの手を差し延べるなんてな。 ああ。 馬鹿らしいな。
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