第一章 意識世界×3つの世界

19/75
前へ
/117ページ
次へ
段々大きくなる影に焦りを感じる。 「ん?」 店の一番奥に位置する樽に刺さってある 槍は他の武器とは違い、黄色い光を放ち まるで雅人に気づいてと囁くように。 雅人は手に取り見いるように何度も 角度を変えると、光は段々収まった。 「あっ…時間なかったんだ…。」 雅人は槍を片手に外に飛び出し、 標的を見つけると何の躊躇いもなく 思いっきり投げた。 「雷鵬!!!」 頭に浮かんだ言葉を咄嗟に口に出した 雅人は驚き、槍の行く末を見つめる。 雅人の声に反応するかのように晴れ 渡る空に雷が集結し梟に姿を変えて 悪魔を撃ち落とし、 ドォーンッ パラパラパラッ 黒く歪んだ魔方陣ごと吹っ飛んでいた。 「よっしゃ!!」 思わずガッツポーズ。 「こら坊主!!!!金払わんかい!!」 その姿を見ていた武器屋の店主は、 雅人が店に入ってきた時から その行動が気になり目で追っていた。 そして槍を手にするなり、外に出る。 明らかに泥棒だと確認し刀を手にし 後ろから切りつけようとした途端、 雅人が槍を空に向かい投げつけた。 ドォーン 爆発音が響き渡ると、目の前にいる 少年は力一杯のガッツポーズをして 喜んでいた。 彼は何者なのか。 そこで一喝し、武器を取りに行かせる。 彼から金を取る気はない。 ただ、切っ掛け望んでいた。 「うわっ!!すいません!! また払いに来ますから!!!!! ちょっと取りに帰ってきます。」 雅人は急いで黒羽が落ちていった方に 行くと、すでに騒ぎになっていた。 「あ、優希さん大丈夫でしたか?」 噴水の近くで優希を見つけ、 駆け寄り言葉をかけた。 「雅人!!私は大丈夫だよ。 もしかして心配してきてくれたの?」 「それもあるけど黒いモノが見えたから 撃ち落とした方がいいかと思って…」 「じゃ...あの槍...雅人の?」 「えぇ…まぁ……。」 黒い者の身体の真ん中を貫いた槍。 武装集団が来て抜きそのうちの一人が 槍を抜き、掲げ声を上げた。
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加