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そして、多くの天使達がエデンに
住み始めたある日のこと、後、サタンと
呼ばれるようになる男はこう考えた。
「今は神に忠誠を誓う者達をなんとか
自分を崇拝させる事はできないか。」
と。
そこでサタンは一匹の蛇に術をかけ
アダムにこう話しかけた。
「神は嘘をついていらっしゃる。
知恵の木の実を貴女が食べても
けして死ぬことはなく、
今よりももっと幸福になれる。」と。
すると、今まで愛をくださった神より
まだ1度も自分に幸せを与えてもいない
蛇の話を信じて木の実を口に運んだ。
「まぁ、何て美味しいのでしょ。」
サタンが言った通り、その実を口に
してもアダムが死ぬ事はなく、
善悪を見抜く知恵を授かりました。
しかし、この時、アダムの身体は
完璧な者から不確かな者へと変貌を
遂げようとしていた。
それに気づいた神はお怒りになられた。
大事に育ててきた自分の子らは皆に神は
嘘つきと言いふらし始めたのだ。
神は話を聞き、蛇に術をかけたサタンを
魔界に送り出てこれぬよう封印を施し、
アダムとエバもまた、エデンの園から
追い出し、人間界へと導いた。
「そこで考えるが良い。
私が偽りであるか、サタンが偽りか、
その確証たる答えを導いた時、
そなた達を許そう。」
そう言い残し、神は3つの世界を
作り出してしまった後も彼らを優しく
見守っていてくださった。
何故ならば――
「私を崇拝する者はこの地に永遠に
住み続けるだろう。」とこの時には
既にお唱えになっていたのです。
そんなある日のこと、天界にて
知恵を欲した者達はアダムとエバの様に
知恵の木の実を食らうようになった。
神は嘆き、苦しみ、これ以上の辛さに
耐えることはできず、遂には天界で
悪さをする者をサタンと同じ魔界へと
送り込んでいった。
魔界に増え続ける悪魔。
その中に1人、サタンと並ぶ術者が
魔界に降り立ち封印を解いてしまった。
そして神は3つの世界ではなく、
天界だけの支配者となり、
サタンは魔界の支配者となった。
残るは人間界。
支配した者が真の神と言えよう、
そう考えた2人。
時には人間の魂すらも奪い合う為に
今も終わることのない戦が静かに
幕を開けたのだった。
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