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‐ガラガラ‐
「失礼します。」
澪はあのまま保健室へと向かった。
「はいはい、どうしたの?具合悪い?」
保険医は椅子をグルッと回転させて澪を見た。
「ちょっと頭痛がしまして…申し訳ありませんが一時間程休ませていただけますか?」
「…いただけますかって随分キチキチした子だね~。いいよ、楽にしなさい。そこの紙にクラスと名前と症状だけ書いておいてね。担任に連絡しておくから…あとベッドも空いてるとこ使っていいよ」
保険医は優しい表情でベッドを指指した。
「ありがとうございます。お借りします」
澪は紙に言われた通り書き込みそのままベッドに横になった。
‐友達なんて…いらない‐
心で呟くと澪は目を閉じた。
■■■■■■■■■
すっかり五限丸々寝てしまった澪はまだベッドから動けずにいた。
保険医はいない。
寝ている間に、どこかへいったのだろう。
「もうHR終わってる。アイツ…帰ったかな」
澪は時計に目をやった。
「そろそろ帰らないと…」
そう呟きながらも布団の心地よさに、再び目を閉じかけていた。
‐ガラガラッ!!‐
その時扉が開く音がした。
「先生帰ってきたのかな?」
澪は再び目を開け、ゆっくり体を起こした。
「すいません、ちょっと休み過ぎました。今帰ります。」
澪はカーテン越しに保険医に伝えると寝ぼけた頭をポンと叩き立ち上がった。
「やっぱりここだった」
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