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澪がいつも通り勉強をしに図書室に入ろうとしていた時だった。
奥から先輩の声がする。
「先輩…?良かった、丁度聞きたい問題があったんだ」
澪がその声の方へ進んで行くと先輩はいた。
友人数人と丸くなって雑談をしているようだ。
「先っ…」
澪が話し掛けようとした時、会話の内容が耳に入った。
「やっぱり女はちょっと馬鹿なのがいいよなぁ。この前、街でナンパした子がマジ可愛くてさ!
で、ちょっと頭弱いんだよ」
「でもお前最近、あの後輩と仲良かったじゃん?付き合ってたんじゃねえの?」
「あ?
ああ~無理無理。あれこそ典型的な才女ってやつ?
なんか勉強ばっかで疲れちゃうし、楽しくないしね」
「……」
その会話は笑い声も交えながら続いていた。
澪はそのまま、後ろを向き図書室を出た。
その時、初めて悔し泣きもした。
「あんな男を好きになった自分が悔しい。」
涙を目に溜めながら、拳をギュッと握る。
人を信用するからいけないんだ。
もう、自分以外信用するもんか。
澪は涙をグッと拭うとそのまま帰宅した。
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