過去の恋愛

3/4
前へ
/15ページ
次へ
澪がいつも通り勉強をしに図書室に入ろうとしていた時だった。 奥から先輩の声がする。 「先輩…?良かった、丁度聞きたい問題があったんだ」 澪がその声の方へ進んで行くと先輩はいた。 友人数人と丸くなって雑談をしているようだ。 「先っ…」 澪が話し掛けようとした時、会話の内容が耳に入った。 「やっぱり女はちょっと馬鹿なのがいいよなぁ。この前、街でナンパした子がマジ可愛くてさ! で、ちょっと頭弱いんだよ」 「でもお前最近、あの後輩と仲良かったじゃん?付き合ってたんじゃねえの?」 「あ? ああ~無理無理。あれこそ典型的な才女ってやつ? なんか勉強ばっかで疲れちゃうし、楽しくないしね」 「……」 その会話は笑い声も交えながら続いていた。 澪はそのまま、後ろを向き図書室を出た。 その時、初めて悔し泣きもした。 「あんな男を好きになった自分が悔しい。」 涙を目に溜めながら、拳をギュッと握る。 人を信用するからいけないんだ。 もう、自分以外信用するもんか。 澪は涙をグッと拭うとそのまま帰宅した。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加