1章

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……………… とーーなぜか急に沈黙になった。 ど、どうしたんだ? 俺は心の中でつぶやいた。止めるような雰囲気ではなかったはずなのだ。 ーー意を決して女子トイレに乗り込むべきなのだろうか、いや、でも…… 俺が決断を出す前に沈黙を切り裂くように声を発したのは佐倉さんだった。 「……跪き…なさい。」 えっ…… 佐倉さん? 何言ってんだ!!? 立ち上がったのか足音が聞こえ、パンパンとスカートの汚れを払う音も聞こえた。 俺はより耳を壁に押し付ける。 今思えば時間帯が放課後でホントよかったと思う。 こんなの……誰かに見られたら俺、残りの高校生活終わってたな…とーー 一枚壁の向こう側がどうなっているのかーー俺には佐倉さんの発言で まったく検討がつかなくなってしまった。俺は脳を搾り出して今の状況を想像し仮説を立てようとしていたーーがーーそんな時間すら与えてもらえず佐倉さんは静かにこういうのであった。
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