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夢叶の笑顔があるその屋上は
いつもと違って見えた
今日はぽかぽか日和
日向ぼっこには最適だ。
「食べよっか」
夢叶は僕の手をひいて言う
「あ…手…いいかな」
「あ、ごめんアハハ」
そういうわけで夢叶とお弁当を食べることになった
ぽかぽかお日様に包まれながら
「ゆ、夢叶、お弁当は?」
「俺はないよー」
「えっ、あげるよ」
「ほんと?夏芽は優しいなー、そのウインナーちょうだい」
ニコニコしながら口を大きくあける夢叶
どうやら食べさせて、という意味なのか
「え、あ、はい…」
パクッと美味しそうに食べる夢叶はまるで小さい子供のように
「おいちー」
にひひ、と笑う夢叶の笑顔は綺麗だった
「これ僕が作ったんだ…良かった美味しそうに食べてくれて。」
「えっ?夏芽が作ったの!?うまっ!」
「ありがとう。僕んち親がいないからさ」
「そうなんだ、偉いね夏芽は。」
そう言って僕の髪を撫でる夢叶
「え、やめてよ…んーっ」
「ハハハ、かわいいかわいい」
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