道しるべ

4/7
前へ
/10ページ
次へ
夢叶の笑顔があるその屋上は いつもと違って見えた 今日はぽかぽか日和 日向ぼっこには最適だ。 「食べよっか」 夢叶は僕の手をひいて言う 「あ…手…いいかな」 「あ、ごめんアハハ」 そういうわけで夢叶とお弁当を食べることになった ぽかぽかお日様に包まれながら 「ゆ、夢叶、お弁当は?」 「俺はないよー」 「えっ、あげるよ」 「ほんと?夏芽は優しいなー、そのウインナーちょうだい」 ニコニコしながら口を大きくあける夢叶 どうやら食べさせて、という意味なのか 「え、あ、はい…」 パクッと美味しそうに食べる夢叶はまるで小さい子供のように 「おいちー」 にひひ、と笑う夢叶の笑顔は綺麗だった 「これ僕が作ったんだ…良かった美味しそうに食べてくれて。」 「えっ?夏芽が作ったの!?うまっ!」 「ありがとう。僕んち親がいないからさ」 「そうなんだ、偉いね夏芽は。」 そう言って僕の髪を撫でる夢叶 「え、やめてよ…んーっ」 「ハハハ、かわいいかわいい」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加