いつのまにか

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それから、夜勤になると仕事が一段落したのを見計らったように陵本さんが来るようになった。 眠れない為の暇つぶしなのかと最初は思っていたのだが… 話してる途中で何気なく手を触ってきたり、前髪を触ってきたりするので、心臓がドキドキして苦しくなる。 はぁ~患者さん相手に何ドキドキしてるのだろう 気をつけなきゃ! と毎回心の中でつぶやく… 「……って聞いとんか!」 って不意に大きな声を出す陵本さん。目が合ってドキンってした。 『ビックリしたなぁ~なんですか?』 「だからなぁ、○○ホテルからみる夜景がめっちゃキレイなんだ」 確か、ドライブが好きで夜景を観るのが趣味って話してたんだ………… 『ふ~ん行った事ないからわからない。』 「行った事ないんか!へぇ~退院したら連れて行ってやろうか!」 『いやぁ、行きませんよ』とすかさずお断りをする 「はぁ?~夜景すごいキレイなのに?」 『それでも行かない。自分で行くから大丈夫です。って言うかなんかやら~し』 って言うと、ムッとした?焦った?のか慌てて立ち上がって病室に帰って行った。 ん……なんかさみしい?
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