特効薬

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「ま、いいや」 ジュンスが明るく言った。 「また何かあったら聞いてもいいですか?」 「あ、はい。どうぞ」 緊張感から解放されたハン社長は安堵したのか声を和らげて答えた。 「じゃあ今日はもう遅いしこのへんで。ユノヒョン、玄関まで送ってあげて」 「わかった」 リビングからハン社長とユノヒョンの姿が見えなくなったところで、俺はジュンスに飛び付いた。 「さっきの何!?」 「あーもう、耳元で叫ばないでよぉ」 「教えろって!」 「わかった、わかったから」 しつこい俺を引き剥がすように肩を強く押してソファに腰を沈めた。 そしてふぅと一度息を吐いてから、ジュンスは口を開いた。 「あの人ね、嘘ついてるよ」 「嘘って……どんな?つか、なんで分かったんだよ」 「さっき…「ただいまー」 ……あぁ、なんというバッドタイミング。 玄関から元気よくチャンミンとジェジュンヒョンが帰ってきた。 「おかえり。早かったね」 「…お客さんはもう帰ったの?」 「うん、さっきね」 「そう」 ジェジュンヒョンが安心したように息をついた。 「せっかく僕がお茶菓子選んだのに…。残念でしたね」 「だね。チャンミン食べていいよ」 「いいんですか!?」 待ってました!とばかりに目を輝かせて袋を漁るチャンミン。 てか、プリンとかアイスとか… お茶菓子じゃないし。 お前、最初から自分が食べる気で選んだろ。
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