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笑い声がいくつも通り過ぎた。 見慣れない町並みを、置き去りにした。 青白さに支配されていた世界は、予兆もなしに去っていった。 俺はまた、空虚な極彩に染められた世界に足を踏み入れた。 「あぁ、ただいま。」 中空に投げかけた俺の声は、煙と一緒に霧散していった。 去っていった笑い声と迎え入れた笑い声に煙で答えた。 少しだけ立ち止まり、俺は周りを見渡した。 あぁ、景色はこんな色だったか。 なんだか随分と味気ないな。
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