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私は、一晩中泣いて泣いて寝ずに朝をむかえたわ。
橋の横の家に帰ると、母を思い浮かべるので地元を離れました。
その日から、私は独りぼっちの猫……野良になったの。
この世の中は、地獄なのかな!?極楽なのかな!?
人間は、怖いのか!?優しいのか!?
その時の私には、理解できなかったの。
人間の子供たちってさ……木の枝を持って追い払う子供もいれば、パンや牛乳をくれる子供もいるんです。
春になり桜が咲く頃、野良の私にも彼氏ができて嬉しかったわ。
彼氏の名前は、ポンタ……男前で立派な鈴をつけた飼い猫だった。
ポンタとのお付き合いは、楽しかった。
何気ない会話も心が弾み、夢のような時間だったわ。
ポンタの家は豪邸で、おばあちゃんと裕福な暮らしをしていた。
そして、プロポーズしてくれる。
「おばあちゃんは優しいし、冷暖房完備の広い部屋ごちそうの御飯もあるし……一緒に暮らさないか??」
「私……」
返事ができない……できなかった。
人間は怖いと教わったから、やっぱり怖いの。
母の命を奪ったのは、車お化けと人間よ。
おばあちゃんと一緒に暮らさないと決めた。
でも、部屋にあがらず外で会っていた。
ポンタと楽しく過ごしていたら、妊娠したの!!ポンタの子よ。
それはそれは嬉しくて、ポンタに打ち明けました。
でも、駄目だった……喜んでくれると思っていたのに。
ポンタは裕福な暮らしを捨てて、野良になるのは無理だった。
「外での暮らしは怖いし、御飯はないし……」
ポンタの言葉に涙ぐむ私がいた。
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