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「鍵の登録も終わった……し、飲み直そっか」
そう言ってドアを開け家に入るユリアさん。
「ま、まだ飲むんですか?」
その後を追いながら声をかけると、ユリアさんはゆっくりと両手を上げ伸びをする状態で天井を仰いだ。
「んー……。飲み足りない……んだよね」
「そう、ですか」
「リュウト君は先に寝てても……いいよ。明日、学校でしょ?」
「え? いいんですか?」
ユリアさんからの解放に少しだけ声が弾む俺。
流石にもう飲めないし、ユリアさんが言うように明日は学校なのだ。
俺としては明日に備える為なるべく早めに眠りにつきたい気持ちがあったので、ユリアさんからの言葉は素直に助かる。
「ん……いいよ。でも先にあたしがお風呂入っても……いい? 酔いを覚ませたい、から」
「全然構いませんよ。 じゃあ俺、瑠璃と遊んでますね」
「……よろしく、ね」
そう言うとリビングへは向かわず、そのままバスルームの方へと足を向ける。
俺は俺で真っ直ぐとリビングへ足を向けた。
リビングに足を入れると、瑠璃がキュンキュンと鼻を鳴らしながら俺の足にじゃれつく。
瑠璃を抱き抱え、少しだけ荒れたリビングを見渡す。
溜息を吐きつつ、ユリアさんが風呂から出てくるまでの時間、俺は飲み終えた空き缶やボトルなどの片付けに没頭する事になったのだ。
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