発端

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    「んんー……」     寝返りを打つと共に、身体に掛かってあるシーツがサラリと皮膚を擦れる。   その感触が、いつも使用している布団のそれと違う事に違和感を覚えた。     「……?」     ゆうべ飲み過ぎたせいか、頭にガンガンと痛みが響く。   完全に二日酔いらしい。   痛みに耐えながらも重たい頭を持ち上げ、そしてゆっくりと瞼を開いた。   まだ視界もはっきりとしない淀んだ状態だが、そのまま周囲を見渡す。   12畳くらいの広い1部屋。 眠っていたベッドは、キングサイズくらいの大きさだろうか。   フカフカした大きなベッド 正面には大画面の液晶テレビ   少し離れた場所に小さなセンターテーブル ピンク色の可愛らしい二人掛け用のラブソファ――…       見覚えのない場に自分がいる。   
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